コロナ禍の世界となって早1年以上が経過しました。
昨年11月にワクチンが開発され、世界の国々で接種が進められています。
先日74歳になる弊社の会長も、ワクチンを接種してきました。
高齢で持病もあるため感染予防を徹底しておりましたが
接種できたことで少し安堵しております。
世界最多の死者を出した米国では、高齢者の死亡率が1月と比較して80%減少しワクチンの接種率の向上とともに雇用人数が上昇
国民経済の危機から脱しつつあります。
日本も6月までに1億回分のワクチンを確保できる状況にあり種希望者を迅速で確実に把握、管理できる体制を早急に整えることが今の課題となっています。
今まで経験したことのない、未知のウイルスの地球規模での流行は私たちに多くの気づきを与えました。
それは平時には見えなかったものが、有事になると突如として社会の表面にあらわになってくるということです。
普段私たちは精巧な社会システムの中で生活をしています。それは組織、行政、人間関係が上手く機能している中では私たちに安定と安全をもたらしてくれます。
しかし今回のコロナ禍では、一見するとうまく機能しているように見えた社会システムの脆弱性があらわとなり、私たちに言いようのない不安と不信感、焦燥感を芽生えさせ、社会の分断、医療システムの崩壊と格差を引き起こしました。
精巧に動いていたはずのシステムがなぜ崩壊へと向かっていったのか、その原因は私たち人間の内面的な問題、未知のウイルスに対する不安障害強迫観念に要因があると考えられます。
生きとし生けるものにはすべて生存本能、自己防衛本能が備わっています。
その自己防衛本能、自らの生存を脅かす存在に対する不安や恐怖があるからこそ人はか細い命を次の世代へとつないできました。
その本能を人間自身が理解し、行政や他者を批判するのではなく、自らの内にある
「ウイルスへの恐怖」
を冷静にとらえ、ファクトとエビデンスに基づき粛々と行動し、そしてメディアは国民の不安感情を不必要に煽るのでなく、データに基づき現状を示すことで、国民に冷静な判断を促す姿勢を徹底していく。
今後も続くウイルスとの共存において、私たち自身の
「人間の生存本能と、不安と恐怖は密接に相関する」
ことを理解し、自らの感情に対して冷静で客観的な思考を養うことが必要です。
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人類は古来よりウイルスと共存する中で進化し、生き延びてきました。
そして今後も未知のウイルスと共に生きる必要があります。
なぜなら未知のウイルスが生存する場所を開拓しているのは、私たち人間だからです。
アフリカの森林伐採後の地域で流行したエボラ出血熱や、地球温暖化によりシベリアの永久凍土が解け始めそこに閉じ込められていた炭疽菌に似たウイルスが発見されています。
人類の経済活動や温暖化が要因となり、地球上の未知のウイルスが私たちの生活圏に入り込んでいるのです。
コロナウイルスだけでなく、人間は目に見えない無数の敵とともに生存しています。それらすべての敵に対処するのは不可能です。
だからこそ、私たちの不安感情を常態のものとしてありのままに見つめ他者を批判するのではなく、ファクトをエビデンスに基づいて粛々と行動していく。
こうした心の姿勢がコロナ以後の世界でより求められるだろうと考えます。