人生100年時代を企業はどう捉えるか
平成30年5月6日

皆様こんにちは

今日は5月6日、24節季の「立夏」です。

夏の始まりの日とされ、これから秋分の日までが夏季となります。

名古屋ではすでに30度を記録し、暑い夏の到来を予感させます。

4月からの気温上昇の影響で、例年なら今見ごろを迎える芝桜が、すでに枯れている地域があります。

「今年の夏は一体、何℃になるんだろう・・・」

6年生の息子がつぶやいていました。

記憶を紐解けば、私が小学生だった頃、30度を超える日はひと夏で数回程度。

昼の暑さも夜半に落ち着き、家の近くを流れる小川からは涼やかな水音と、蛍の柔らかな光が庭先に届いていました。

経済成長期を迎え人間が住みやすい環境へと作り変えられた結果、昔あったモノやコトが消え、技術革新がもたらす恩恵により、子供時代には想像しなかったテクノロジーに囲まれた暮らしの中に私達は身を置いています。

このような社会構造の変容は、現在(いま)が特別ということではなく歴史を振り返ればいくつかの出来事がありました。

18世紀に英国で蒸気機関車が発明された「第一次産業革命」に始まり、20世紀初頭に電気エネルギーがもたらした「第2次産業革命」、20世紀後半にはコンピューターの開発で「第3次産業革命」が起こり、その度に私達は産業構造の転換を経験し、技術社会の恩恵を受けています。

新しい社会の仕組みが発展するたび、淘汰される技術と消え行く環境があります。

今はAIによる「第4次産業革命」の真っ只中にあり、指数関数的に増えるインターネットの情報を活用し、今後10年の間に新たな職業が生まれ、既存の職業の49%が消えるといわれています。

未来学者のアルビン・トフラーは情報社会の到来を「第3の波」と称し、世の中の基軸が大きく変化すると指摘しました。

息子が大人になる頃には今の暮らしや環境は変わり、「普通」の基軸が様変わりしているかもしれません。

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産業構造の発展は医学の進化にもつながり、それに伴い人間の平均寿命も年々伸びています。

寿命の変化を年代別に見ると

1997年生まれの人の平均寿命は101歳~102歳

1987年生まれでは98歳~100歳

1977年生まれでは95歳~98歳

今年2018年に生まれる赤ちゃんの平均寿命は110歳とされ、この寿命の延びが、「人生100年時代」と言われる所以となっています。

人間の寿命を100年と捉えると、60歳を定年とする現行の制度は現実的でなく、制度を改正し定年とする年齢を引き上げ、雇用の継続と財源の確保の為、国を挙げた制度改正が必然と考えられます。

そして寿命の延びと産業の革新がもたらす環境の変化により、各個人に求められるスキルは変化してゆくでしょう。

経済協力開発機構(OECD)諸国で25歳以上が4年生大学に入学する割合を各国で比べると、平均が17%であるのに対して日本はわずか2.5%にとどまります。

これから企業に求められるのは、その時代で求められる能力を備えるため共に働く仲間に、学び直す機会を提供すると同時にAIの技術を取り入れ、企業の能力を高めてゆくことでしょう。

そしてAIが進化しても人間に代わることのできない能力、それは人の心を理解し互いを思いやる互譲互助の精神です。社員ひとり一人にこの能力が備わり他社にはない魅力を提供する企業こそ、これからの「求められる企業」へと進化してゆくのだと思います

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