連日38度を超える猛暑が続いておりますが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
うだるような暑さの中サッカークラブに所属する息子は、連日試合でコート内を走り回っています。
休憩時間に余裕を持たせ熱中症予防の対策を取っているようですが、どこまで有効なのかは疑問です。
連日熱中症患者の救急搬送を伝える報道がされるなか、炎天下での活動の危険性が知られるようになりましたが、規定された年間の試合数を消化する必要があるとのこと。
規定優先で子供の安全がなおざりにされている現状にあきれてしまいます。
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先日主要取引先メーカーの1社である株式会社ダイフレックス様の全国総会に出席するため京都に行ってきました。
塗膜防水材料において国内でトップシェアを誇る同社、2010年にはスイスのシーカー社と提携を結び、その技術力で業界を牽引するリーデングカンパニーとして成長しています。
さすがはトップメーカー。総会場は老舗名門「ウエスティン都ホテル」、招待講師は脳科学者として著名な「茂木健一郎」氏。
全国から集まる取引先に価値ある時間を提供できるよう資本と人材を投入しています。
プロのアナウンサーが司会を務めるなか会は進行し、いよいよ茂木さんの登壇です。
演題は
「人工知能時代に必要な経営脳力」
巷を騒がす人工知能なるものを経営者の視点でどう捉え活用していくべきか、世界を舞台に活躍する茂木さんの話を聞くために今回の参加を決めました。
そもそもAI(artificial intelligence)とは何であるかを分かりやすく言うと、脳と同じ機能を持つコンピューターを人工で作り出す技術を指します。
コンピューターが基本的に行うのは計算であり、人間の知的活動を計算で表現するか、もしくは表現できていると私たちが感じる程度に近づけることです。
この技術を脳科学者の茂木さんはどう捉え、そして未来はどう変化していくのか。
会場後方入り口から聴衆の間を駆け足で走り抜け、のっけから
「今日の演題はなんでしたっけ?」
と意表を突く登場にザワツク聴衆をしり目に司会者に尋ねる脳科学者。
準備なしのぶっつけ本番の講話スタートに不安がよぎりますが、さすがは茂木さん。即興でも話題は幅広くテンポよく進みます。
まずはAI技術の活用例を分かりやすく説明するために、日々AIを相手に対局を重ねる藤井聡太7段を引き合いに出し、AIを活用することは脳の筋トレであり肉体ライザップならぬ脳ライザップだということ。
今現在AI技術に浴する「人工知能ネイティブ」世代は、脳がAIで強化されておりその構造は変化、進化しこれまでにはない脳力が発達するであろうこと。
AIの発展に伴い現在ある職業の約半分が失われるため、現行の知識の詰込み型教育では未来に適応する仕事に就業できないこと。
これから求められる能力は、他者をまとめ率いる強い意志(ヤンキー力)、一つのことを深く突き詰める力(オタク力)であること。
講演時間90分をノンストップで講話されましたが、印象に残ったのは自分を第三者の視点で客観的に観察する「メタ認知」という概念。
「こうあるべき」という理想や義務感が強いと自分を冷静に分析判断できず感情が暴走、その結果他者を批判したり衝突を繰り返し、人望を失う。
リーダーには高いメタ認知力が求められることを話されました。
講話終了後は登場と同様、後方出口まで走って退場される姿が印象的でした。
経営者として人工知能を活用する技術的なアクションも大切だけど、AIでは代替できない能力、社員のポテンシャルを引き出しながら生産性を上げていく。
生き方、働き方を社員たちに示しながら一人ひとりの成長を促す、そんな脳力が経営者、リーダーにはこれからの時代に求められる脳力なのだと思います。